文字通りの『山場』であった箱根越え。大変だ大変だとは聞いていましたが、
実際にやってみるとその言葉がおおげさでは無いことがよくわかりました。 最高地点の標高は874メートルです。東京タワー2本半分の高さまで、自転車を 押して登る…と考えれば、いかに長い道のりかが想像できることでしょう。 そうして箱根を越えて辿り着いた街、三島は、古い街並みが色濃く残り、 路地では子供たちが遊びまわる、下町情緒を感じられる街でした。 『ビジネス旅館 大倉』という看板を見つけ、入ってみました。 おばあちゃんに近い年齢のおかみさんが出てきて 「ウチはあいにくいっぱいだけど…自転車でずっと来たのかい?」 『はい。今日、箱根を越えてきました』 「よくチェーンが切れなかったね!自転車旅行をする人はたいてい フル装備で来るけど…。どこまで行くの?」 『九州まで行こうと思っています』 「あらまあ、この先長いわね。じゃあ安いところを探してるんでしょう。 そこを曲がった先にね、●●●●って宿があるから、そこ行ってごらん。 そこだったら安く泊めてくれるから」 『わかりました。ありがとうございます』 「ダメだったら戻っといで~」 教えられた旅館へ行ってみたところ、満室とのことでした。 『大倉』へと戻り、おかみさんにすがることに。 『いやー、ダメでした』 「あそこのばあちゃん、すぐに面倒臭がるんだわ」 おかみさんはおもむろに人差し指を上に向け 「じゃあ、二階ぃ上がって寝な」 |
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