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ウミガメのお産に立会いました。
屋久島の永田にある通称「いなか浜」は、産卵するウミガメの上陸数で日本一
を誇っています。その隣にある一湊海水浴場で待つこと3時間………
「あっちに1ぴき上がってるよ」と、見回りのおじさんが教えてくれました。

行ってみると、砂浜に1mほどの大きな影が鎮座していました。途切れ途切れ
に『ザッ』という音がして影が動きます。後ろ足で産卵のための穴を掘って
いるところだそうです。

「あれ、こいつは左足が無いなぁ…」と、おじさん。上陸していたウミガメ
は、根本しか残っていない左足を空回りさせながら、通常よりも時間をかけて
通常よりも浅い穴を掘ると、産卵を開始しました。

 ▽ウミガメの産卵
 http://www.i-yan.com/travel/vol9/umigame.html

前に回って顔を見ると、涙を流して「フゥーッ!フゥーッ!」と荒く呼吸を
しています。産卵を終えたウミガメは、水中を泳ぐ時のように前ビレをかいて
少しずつ砂浜を下っていきます。ここでも左足が無いせいか、右へ左へと
逸れながら、30分以上かけて海へと帰っていきました。

こんなに必死なウミガメを見ながらも、触れたり補助してあげたりすること
は一切できません。どんだけ消耗してしまったんだろう、ウミガメの母親も
すっげえなぁ…なんて思っていたら、一緒に見ていた女の子はこう言いました。

「あんまり帰るの遅いから、蹴っ飛ばしてやろうかと思ったよ」

同性だとこんなもんスか…?



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