「今夜はお祭りだから、夜になると花束とロウソクを持って、
たくさんの人がお寺に集まるよ」 サバナケットで知り合った僧のブンタンはそう言いました。彼は今っ子の僧 なので、オレンジ色の袈裟にチャック付きのポケットがあり、そこから白い イヤホンが耳へと伸びています。おもしろそうなので、その祭に加わってみ ることにしました。お寺へ向かう途中の家々の軒先にはロウソクが並べられ、 それらに火が灯り温かい光を放っています。 お寺には既にたくさんの人がおり、皆、手に小さな花束を持っています。入 り口で1000Kip(約11円)を渡し、私も花束を受け取りました。3本のお香が 花と共に束ねられており、お香の先には1本のロウソクがくくりつけてあり ます。お香は日本のものと違い、真ん中に竹の芯が入ったものです。 ▽祭に使われる花束 http://www.i-yan.com/travel/vol17/hanataba.html やがて誰となくロウソクに火が灯されていき、お寺の庭は小さなオレンジ色 の灯りで埋め尽くされました。皆、ひざまずいて花束を持ったまま手を合わ せています。 ▽お寺を埋め尽くす人 http://www.i-yan.com/travel/vol17/oinori.html 中央の建物から聞こえていたお経が終わると、各自の花束のお香に火が点け られ、人々は立ち上がって建物の周りを歩き始めました。人がひしめいて、 大量の煙が立ち込めています。そのまま時計回りに3周すると人並みは石の 祭壇へと向かいました。そして手に手に持っていた花束は祭壇へ立てかけら れ、人々は手を合わせて何かを祈っていました。 ▽祭壇へと捧げられる花束 http://www.i-yan.com/travel/vol17/saidan.html この祭は年に4回行われるそうです。参加者は若者が多く、和気藹々と語り 合いながら式は進行していきます。偶然にもこの祭りに居合わせることがで きたことは、とても印象深い経験となりました。 Vol.017 2005/09/06 |
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