スーシーホームには少し変わったルールがあります。それは例えば
『コーヒーはいつでも煎れるから、コーヒーの粉は買ってきてね(15バーツ)』 『洗濯は毎日してあげるから、洗剤は買ってきてね(10バーツ)』 『石鹸がなくなりそうだから買ってきてね(6バーツ)』 といった感じです。「砂糖とお米はあるのよ」と言っていましたが、初めはそ の意図が掴めず「え、俺が買うんスかー?まあいいけど」と思っていました。 ある朝、起きて水浴びをしてリビングに戻ると、スーシーさんは甘いコーヒー とカオニャオ(もち米)と炒ったピーナッツを用意しておいてくれました。 もちろんコーヒーは2人分あります。スーシーさんは「スメラー(いい匂い)」 と言いながらコーヒーを飲んでいました。 昼ごろ市場へ行き、朝の残りのカオニャオを当てにして、惣菜と果物を買って 帰りました。一緒に食べようと言うとスーシーさんは「Good!」と喜び「テイク シャッワー。ママーランドリーフォーユー」と言って服を着替えるよう言いました。 消耗品や食事は共有した方が手間も値段も抑えられ、お互いにとって有益です。 その妥協点がどこであるかをスーシーさんはわかっていたようです。 『私が消耗品を買いスーシーさんが手を動かす』というルールが遠慮を取り去 るきっかけになり、いつの間にやら互いに歩み寄っていたことに気付きました。 もし仮に、たった50バーツの宿泊費でカオニャオやコーヒーが出てきて、洗濯 までしてくれると言われたら、さすがに「ノーサンキュー。自分でできるよ」 と遠慮してしまうし、ありがたいを通り越して申し訳ない気持ちになってしま うことでしょう。互いに気遣いながらもそこには見えない壁ができてしまいま す。それを未然に回避したスーシーさんの提案…年の功とはよく言ったもんです。 Vol.022 2005/10/11 |
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