旅の最中のよい香りindex


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┃   旅の最中のよい香り Vol.025
│     2005/10/31 http://www.i-yan.com/
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 ○私は今ここにいます : タイ王国 チェンマイ県 チェンマイ

サワッディーカップ、いいやんです。

前回発信したチェンセンからチェンコーン・チェンライを経由し、チェンマイ
へとやってきました。チェンマイは周囲をぐるりと水路と城壁に囲まれた、浪
漫溢れる造りの都市です。地図にあるだけでも寺院が約70箇所、市場が10箇所
もあり、町へ出かける前からそのボリュームには圧倒されてしまいます。


──今号のもくじ──

  ■海外お稽古 タイマッサージ
  ◆連載:今週のボイレコ
  ■旅にありそな甘い罠
  ◆連載:What's you mean ?
  ◆サイト更新情報

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□海外お稽古 タイマッサージ

バックパックを背負っての移動も慣れたものだけど、宿探しのために2時間も
町をうろつけば、肩は強張り、脚の裏側の筋も緊張してしまいます。何とか今
日も3ドル弱のベッドにありつき、シャワーを浴びてゴロゴロゴロ…。

そして日の沈んだ町へと出ると、お腹を満たす屋台と同じくらい目を奪うのが
タイマッサージ屋です。値段の目安は1時間150バーツ(約400円)といったと
ころ。10分1000円の日本の相場を思えば「行かなきゃ損」とまで思えてきます。

布団が敷かれた涼しい部屋で薄い布の服に着替えたら、あとはふかふかの枕に
寝転んで脱力に徹するだけです。両手両足・背中・首・頭とほぐされゆく至福
のひとときは、今夜の安眠を徐々に確かなものにしてくれます。そんな時間の
中、ひとつ意欲が湧いてきました。このタイマッサージを教わりたい、と。


泊まっている宿の隣で控えめに看板を出しているPimさんのお店は、タイマッ
サージのプライベートレッスンを受け付けています。ここで初級者向けのベー
シックな手順を学ぶことにしました。レッスンの内容は、実際に先生のマッサー
ジを体感し、その後で先生を相手に手順をなぞりながら細かいポイントを教わる
という形式で進められます。

Pimさんは英語が堪能な若々しい女性です。バンコクで働いた後に、ここチェ
ンマイで自分の店を開きました。たくさんの生徒は取らないと言うPimさんは
その分、一人一人との付き合いを重視しています。一緒にお茶を飲んだり食事を
したりしながら夕方近くまで講習を行い、その後でもし暇があればと、買い物や
犬の散歩に誘ってくれます。台所も自由に使っていいわよ、と、まさにプライベート。

 ▽Pim先生と愛犬のGanai
 http://www.i-yan.com/travel/vol25/pim_ganai.html

短期間ではありましたがタイマッサージの一通りの手順を習い、教本はメモ書き
で埋まりました。頭に入りきっていない部分はありつつも修了認定証を発行して
もらうことができました。

 ▽認定証
 http://www.i-yan.com/travel/vol25/ninteisyo.html


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◇今週のボイレコ

日曜日の夜には寺院のお堂が開放され、たくさんの人がお祈りを捧げます。
1人の高僧が経文を読む声がマイクに拾われ大きく響き、それに併せて人々も
お経を唱えます。ゆったりとした独特のメロディーのリフレインが続きます。

 ▽お堂に響くお経
 http://www.i-yan.com/travel/vol25/pray_sunday.html


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□旅にありそな甘い罠

 「俺はゲストハウスのオーナーなんだ。特別に60バーツで泊めてやるよ」
そう話すオヤジに遭遇し、疑いを持ちながらもバイクの後ろにまたがりました。
運転しながらオヤジはよくよくしゃべり、色々な質問を投げかけてきました。
出身地のこと、家族や職業のこと、この旅の行程のこと…。そしてさりげなく、
 「日本で使うならどこの会社のクレジットカードが良いんだ?」
と聞いてきました。
 「俺、カード持ってないからわかんないや」
そう答えながら、気持ちは半信半疑から二信八疑あたりへと傾いていきました。

 「ちょっとここで待っててくれ。何が飲みたい?」
 「水」
人通りの多い道にある、飯屋の軒先のようなところに到着しました。オヤジは
冷えた水のボトルをなぜか近所から調達してきました。この建物は何なのか、
ゲストハウスはどこにあるのか、そしてここで何を待っているのか、全く説明
を受けていません。しばらくすると1人の中年男性がやってきました。
 「紹介するよ、俺の兄貴」
とオヤジ。アニキは笑みを浮かべながら馴れ馴れしい態度で自己紹介をしました。
 「俺はカジノのディーラーをやっているんだ」

アニキはラスベガスのカジノで6年間働いた後、タイへと移住して今はゴール
デントライアングルにあるというカジノに勤めているそうです。
 「ブラックジャックはできるか?もし知らんぷりして俺のテーブルに座れば、
  確実に勝たせてやるぞ。その代わり俺の取り分が70%お前の取り分は30%だ」
出た出た、甘い話。このもっともらしい話がどう展開するのか、期待が高まっ
ていくのを感じました。しかしアニキは教科書通りにこう続けました。
 「いくつかテクニックがあるんだ。今から俺の部屋でそれを教えてやるよ」
アニキ…手が込んでた割にひねりが無いじゃないか。

典型的な罠だと判ればもはや得るものは何もありません。適当に話をそらし、
おもむろに荷物を背負って立ち去ることにしました。
 「ごめん、行くわ」
 「ん、今すぐ行くのか?」
 「うん」
意外にも引き止められることはありませんでした。足早に大通りへと向かいな
がら私は、彼らが私を引き止めなかった理由を考えていました。カモしか相手
にしていないからなのか、本当にディーラーの小遣い稼ぎだったのか。

いずれにせよ確実に言えるのは、私が事無きを得て、ついでに飲み水も得て、
歩いてた安宿街から遥か遠ざかってしまったことでした。……どこだよここ。


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◇今週のWhat's you mean ?

 ▽What's you mean ?
 http://www.i-yan.com/travel/vol25/what051031.html

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│      発行者:いいやん

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