旅の最中のよい香りindex


┏━━…━━━…━━━…━━─…───…─
┃   旅の最中のよい香り Vol.043
│     2006/04/21 http://www.i-yan.com/
└──      ━━…━━━…━━━…━━━…━
 ○私は今ここにいます : タイ王国 バンコク市

サワッディーカップ、いいやんです。
水かけ祭(14〜16日)の終わったラオスのルアンパバーンからバスで南下する
こと24時間、早朝から翌朝までかけてタイのバンコクへと戻ってきました。予
約していた航空券を受け取り、本日インドのカルカッタへ向けて出発します。


──今号のもくじ──

  ■ルアンパバーンの水かけ祭
  ◆連載:今月のカレンダー
  ■年の初めにもらった言葉
  ◆連載:今週の調味料

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

□ルアンパバーンの水かけ祭

先日、ラオスのルアンパバーンでは新年の水かけ祭が盛大に開催されました。
街角のあちこちにタライやドラム缶や水ホースが準備され、手桶を持った人々
が歩行者やバイクに容赦無く水をかけます。祭の3日間だけは誰が誰に水をか
けてもお咎めは一切無し。町を歩けば1つ目の交差点に着く前に全身ずぶ濡れ
になってしまいます。

 ▽水かけ祭 街中の様子
 http://www.i-yan.com/travel/vol43/onroad.html


雨の少ないこの季節、ルアンパバーンの町からメコン川を挟んだ対岸に隣接す
る位置に、雨季には沈んでしまうであろう広大な中州がその姿を見せています。

祭の期間中人々はボートでメコン川を渡り、中州の水辺に子宝を祈願する大き
な砂山を作ったりロケットを打ち上げたりします。このエリアで人々の間に出
回っている攻撃アイテムは水ではなく、片栗粉と思われる白い粉、黒い塗料、
赤い塗料などなど。歩いている人々の顔は例外無く真っ白か真っ黒で、手に手
に白い粉を握り込み油断している人を探しています。

 ▽水かけ祭 中州の様子
 http://www.i-yan.com/travel/vol43/nakasu.html


祭の一番の目玉はメインストリートを練り歩くパレード。ラオスを代表する数々
の民族衣装を身にまとった女性たちが旗をかかげて歩き、オレンジ色の袈裟を着
たたくさんの僧たちが続きます。そして続くは少女から成人まで年齢順に並んだ
女性たち。シンと呼ばれる美しい巻きスカートを着て傘を持ってしずしずと行進
していきます。女性たちの末尾には選ばれたばかりのミス・ルアンパバーンが大
きな牛の像に乗って続きます。

そこから後ろはパレードに着いて行く多くの群集が入り混じりながら、何種類か
の民族衣装を着た集団が銅鑼や竹の打楽器を打ち鳴らして賑やかに歩き、周囲か
ら水が飛び交います。道を埋め尽くす顔顔顔…それらのほとんどが薄墨を塗られ
たように黒く染まり、服は濡れ片栗粉が付着しています。パレードは民族・国籍・
老若男女・美醜・新旧あらゆる相反するものを混載して進む大きな乗り物のよう
でした。

 ▽水かけ祭 パレードの様子
 http://www.i-yan.com/travel/vol43/parade.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇今月のカレンダー


 ▽タイの4月のカレンダー
 http://www.i-yan.com/travel/vol43/cal060421.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

□年の初めにもらった言葉

水かけ祭の最終日はラオス新年の元旦にあたります。派手な水かけ祭の一方で、
日本と同様に新年の祈願や親戚回りなどの大切な行事がある日です。


私はメコン川沿いのあるレストランで友達とシェイクを飲み、そのあと1人で
麺料理を待っていました。まだ幼い子らがウェイターとしてきりもりしていま
す。ドンブリを4つも並べた大きなお盆を両手で持ち、車道をはさんだ対岸の
店から川岸の客席まで歩いて渡り、各テーブルへと料理を配っています。そん
な光景を見ていると、自席のテーブルに6人連れのお客が案内されてきました。

おばさん2人、子供が2人、若い女性、そして化粧の濃い中年の女性の計6人。
英語の話せる化粧の中年女性と話してみると、彼女はアメリカで働くラオス人
だということがわかりました。新年を従姉妹と過ごすためにラオスへ戻ってき
たそうです。この女性を私は心の中で“USねいさん”と呼ぶことにしました。

私もUSねいさんに自己紹介をしました。仕事を辞めて旅行へ出発したこと、
この祭が終わったらバンコクへ行き、次はインドへと行くこと。USねいさん
はインドという言葉に目を少し見開いて驚き、そしてこう言いました。

「日本の人々は、仕事を辞めて海外旅行へ出られるほど裕福なのね」

私は言葉に詰まりました。



仕事を辞めて海外旅行をすることは多くの日本人が実現可能なことです。それ
ができる日本人はラオス人にとってとても裕福は国民です。しかし当の私が、
私自身を裕福だと思っていないことに気付いてしまいました。

限られた資金で支出を切り詰めた旅行をする中で、私は自分が裕福な国から貧
しい国へ経済格差を利用して来ているという自覚を失っていたのかも知れませ
ん。日本人にとって当たり前のことを経済的な理由から実現できない人々が世
界中にひしめいているという現実を、私はあらためて心に刻みました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇今週の調味料

 ▽ラオスの辛味調味料
 http://www.i-yan.com/travel/vol43/chomi060421.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

※ジャンクフードから伝統料理、怪しい缶詰や調味料に至るまで、
 世界各国の食べ物の情報をお寄せ下さい。大概のものは口に入れて
 レポートいたします。  宛て先はこちらまで→ myugo60@hotmail.com

※本メールマガジンの文章を転載・転送する際には、部分引用ではなく
 極力全文をご利用下さい。その際、事後でも構いませんのでご連絡を
 いただければ幸いです。また、商用での利用はご連絡下さい。

※本メールマガジンの内容には細心の注意を払ってはおりますが
 その正確性を保障するものではありません。

┏━━…━━━…━━━…━━─…───…─
┃   旅の最中のよい香り
│      発行者:いいやん

  ■配信先アドレスの登録・変更・停止
    http://www.i-yan.com/travel/index.html
  ■インターネットの本屋さん『まぐまぐ』
    http://www.mag2.com/ (マガジンID: 0000152679)

└──      ━━…━━━…━━━…━━━…━

Copyright © 2013 i-yan.com All Rights Reserved.