旅の最中のよい香りindex


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┃   旅の最中のよい香り Vol.044
│     2006/05/02 http://www.i-yan.com/
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 ○私は今ここにいます : インド 西ベンガル州 コルカタ(カルカッタ)

ナマステ。いいやんです。無事にインドへと到着しました。

インドの北東部に位置するここコルカタは、日本からの直行便が無くタイのバ
ンコクからの距離が近いため、東南アジアを経由して来た長期旅行者たちにとっ
てのインドの玄関口としての顔を持ちます。

私が宿泊している『ホテルパラゴン』にいる旅人たちは、これからインドをま
わる人、そろそろ帰るつもりの人、しばらくここでのんびりする人と立場は様々
です。ドミトリールームではそんな旅人たちが集まっては輪をつくり互いの旅
の話をしています。

 ▽コルカタの風景
 http://www.i-yan.com/travel/vol44/kolkata.html


──今号のもくじ──

  ■ドリンクの楽園インド
  ◆連載:今週のボイレコ
  ■インド人がこんなことを言ってくる
  ◆連載:今週の調味料
  ◆サイト更新情報

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□ドリンクの楽園インド

毎日毎日カルカッタの空気は飽きもせず暑く、そして乾燥しています。汗は乾
いて体から気化熱を奪い、日なたの洗濯物は数時間でカラカラになり、のどは
渇いて水分を欲します。

旅行者が取っ手付きのペットボトルをぶら下げている一方で、水を持ち歩いて
いるインド人を見かけることはほとんどありません。それもそのはず、街角の
いたるところでは安価な飲みものを出す屋台が営業しており、多くの人々がそ
こへ足を止めて一休みするのを見ることができます。


●チャイ
 ̄ ̄ ̄ ̄
牛乳に紅茶と砂糖とスパイスを入れて一煮立ちさせたミルクティー。素焼きの
器に入れたものが1杯2ルピー。使い捨ての器は路肩に投げ捨てて割られる運
命ですが、持ち帰って洗ってみる旅行者も多くいます。

●ラッシー
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヨーグルトに水と砂糖を加え、ダマをよく砕いて溶かした飲みもの。フルーツ
のシロップを加えたものや砂糖の替わりに塩を入れたソルティーラッシーも飲
まれています。1杯10ルピーから。

●果物ジュース
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
その場でオレンジやパイナップルをジューサーで搾る屋台は1杯10ルピーから。
マンゴー市場で見つけたマンゴージュース専門屋台は何と1杯2ルピー。

●インドのポカリ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
氷を入れたグラスに小さなライムを搾り、砂糖とブラックソルトを加えて水で
よく溶かした飲みもの。ブラックソルトは薄い褐色の岩塩に黒い粒がまじった
硫黄の香りのするすごい味。飲みながら、体が水分と各種ミネラル分を欲して
いることがよく実感できます。ライム1個を絞った場合の値段は5ルピー。

●インドの青汁
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
氷を入れたグラスに小さなライムを搾り、砂糖とブラックソルトを加えて……
……緑色の酸っぱい液体でよーく溶かした飲みもの。生の香草をミキサーで細
かくしたようなどろっとした見た目。味は慣れてないのですごくおいしくない。

●豆粉のドリンク
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ひよこ豆の粉を水で溶いた濃厚な黄色のドリンク。味はプロテインにそっくり。
炎天下で常温のコレは飲み干せるものではありません。店主はなぜこの屋台を
やろうと決めたのか、1杯5ルピー。


定番のものからキワモノまで手広くカバーするインドの飲みもの事情。手作り
が基本なので味はお店ごとにも異なります。1杯ずつその場で調合する手際を
見ながら、他の客たちと過ごすわずかな時間が過ぎていきます。


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◇今週のボイレコ

少年に手を引かれて歩く盲目の老人。街をゆっくりと歩きながら高く響く美声
を聞かせます。「ちゃんとお金払った?」「これじゃ足りないよ」と少年は幼
いながらも商売人です。

 ▽コルカタの路上をあるく盲目の歌うたい
 http://www.i-yan.com/travel/vol44/roujin-syounen.html


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□インド人がこんなことを言ってくる

インド人とはよく目が合います。コルカタの街を歩いているとインド人によく
話しかけられます。インド人の話術はひょうひょうとしながらも商魂が見え隠
れ、相手が間抜けなカモならおいしくいただく算段なので気が抜けません。

「どこから来たの?」
お決まりのこのフレーズでインド人との会話が始まります。

インド人が言いました。
「俺の嫁さんはアメリカ人なんだ」
へえ。
「これから旅行者をナンパするけどパートナーにならないか?」
何を求められてるのか解りかねる。

インド人はまた言いました。
「あ、もし君がゲイならば俺と楽しまないか?」
あんたどっちもいける人か。

インド人は遠くを見つめてから言いました。
「俺は今まで何人もの旅行者に騙されて大金を失ったんだ」
絶対ウソだ。
「お前は俺を騙そうとしていないか?」
その言葉、そっくりお返ししたい。

インド人は私の目を見据えて言いました。
「俺はお前がヤクザじゃないかと心配してるんだ」
唐突だけどちがうよ。
「…そうか、なんだかお前を少し信じられるようになってきたよ」
へーまじでそーなんだよかったねー。

インド人は明後日の方向を見て言いました。
「ようし、お前は俺の友達だ。いやベストフレンドだ!」
ベストの意味わかってて本気で言ってるなら可哀相な人だ。

そしてインド人は言いました。
「コルカタはもうすぐ選挙があるから情勢が危うい。避難したほうが良い」
え、初めて聞いた。
「バラナシ行きのチケットなら350ルピーで扱ってるぞ」
…つまりただの営業だったわけか。


最後にインド人は言いました。
「俺の言うことを信じていないのかい?」
どうもお疲れ様でした。


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◇今週の調味料

 ▽インドの大衆食堂の調味料
 http://www.i-yan.com/travel/vol44/chomi060502.html


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