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┃ 旅の最中のよい香り Vol.055
│ 2006/10/19 http://www.i-yan.com/
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○私は今ここにいます : パキスタン・イスラム共和国 クエッタ
アッサラーム・アライクム。いいやんです。
ペシャワールから寝台列車で35時間、比較的小さめの都市クエッタへ到着しま
した。長時間を過ごした列車は空席だらけでのびのびと空間を使え、乾いた風
と景色が流れる快適なものでした。夜は闇の地平にまばらに散らばる灯りがき
らびやかにまたたきながら様々なスピードで後方へ過ぎていき、昼の荒野は黄
土色に乾き、レールとトンネルの入り口だけが幾何学的な線を描いています。
──今号のもくじ──
■ジャランジャラン・トライバルエリア
◆連載:ボイスレコーダーリプレイ
■アフガニスタンの牛肉料理
◆連載:テーブルの調味料
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□ジャランジャラン・トライバルエリア
パキスタンの国土のだいたい北西部、アフガニスタンとの国境地域の一部はト
ライバルエリアと呼ばれている。ここでは伝統的な部族制社会のしきたりによっ
てまつりごとが取り行われており、政府の権力はおよばないのが現状だ。
無政府状態の地域には合法も違法もない。治安の保証もないため外国人旅行者
の立ち入りは許可されていない。その反面、警官に賄賂を払ってまでその世界
へ踏み込むことを売りにした観光ツアーもまかり通っている。
今回はそのトライバルエリアのギリギリ手前までと、その周辺を見てまわるこ
とにした。
▽ジャランジャラン・トライバルエリア
http://www.i-yan.com/travel/vol55/jalanjalan_tribal.html
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◇ボイスレコーダーリプレイ
▽スーフィーナイトの鼓動
http://www.i-yan.com/travel/vol55/sufi.html
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□アフガニスタンの牛肉料理
ペシャワールにはたくさんのアフガニスタン人が住んでおり、いたるところで
アフガニスタン料理が食べられる。不安定な情勢と乾燥した気候、そして貧し
さという制限された状況で、現地の人々はどんな料理を作り食べているのか。
スィクカバブ
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牛肉の炭火串焼き。肉はしっかり焼くから堅くなる。焼け焦げてぎゅっと濃縮
された肉からはガーリックの香ばしさが立ちのぼっている。
あぐっとかんで金串から引っこ抜くのが一番うまいけれど、上品に食べるなら
肉をチャパティで挟んでスッと引き抜き口へ。脂の落ちた脂身になお残る脂分
と赤身が合わさり味わいを高め合う。
▽スィクカバブ
http://www.i-yan.com/travel/vol55/kabab.html
カブリポラウ
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カブール風の炊きこみご飯。牛骨スープで炊かれた米粒は、脂とゼラチン質を
まといつやが出ている。米の中には骨つきのスジ肉のかたまりが埋もれている。
スジ肉は柔らかくスプーンで崩れるほど。トッピングはなんとレーズン。茹で
てホカホカプリプリになったレーズンは独持の甘みが薄れさわやかな風味だ。
スジ肉をほぐし米と共にいただく。米はこってりとして淡い塩味。赤身はほろ
りとほぐれゼラチン質はとろりとける。レーズンを口に運べば、酸味と甘みに
シフトしていく味わいに舌がまた肉のうまみを求めはじめる。つけあわせの紫
玉ネギをかじると新鮮な野菜の風味との対比にメリハリを感じられる。
▽カブリポラウ
http://www.i-yan.com/travel/vol55/polau.html
アストガン
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カブリポラウを調理する大鍋に埋もれている、関節部分のでっかい骨。これを
そのまま皿にドンと取り出した豪快な一品。骨のまわりにはプルプルに煮えた
肉がごっそりついていて、さらにそのまわりは「今までポラウの中にいました!」
とばかりに米粒が覆う。
一片のチャパティを手に取り、肉を直接むしりとるように挟んで口へと運ぶ。
ホカホカに煮えた肉のむわっとした香り。その風味はカブリポラウに比べ一段
と濃厚だ。このまろやかさとこってり感こそが牛骨から染み出す風味だろう。
骨から出る滋養と風味のすべてが、肉と米とに余すところなく吸収されている
ことがわかる。
▽アストガン
http://www.i-yan.com/travel/vol55/astgun.html
今回おとずれたレストランでは、1日分の食材として1頭の牛を使うそうだ。
無駄なく余さず分けやすく調理された1つの命が、レストランいっぱいの人々
の満腹に変わることがありありと感じられた。
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◇テーブルの調味料
▽モモ屋のテーブルの上
http://www.i-yan.com/travel/vol55/chomi061019.html
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世界各国の食べ物の情報をお寄せ下さい。大概のものは口に入れて
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┃ 旅の最中のよい香り
│ 発行者:いいやん
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