旅の最中のよい香りindex


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┃   旅の最中のよい香り Vol.068
│     2007/05/11 http://www.i-yan.com/
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 ○私は今ここにいます : イタリア共和国 カンパニア州 ナポリ県 ソレント

ブオンジョ〜ルノ、いいやんです。

エチオピアからイタリアへ、一風変わった航路を描いてローマへと到着しまし
た。先進国の人波は知性と警戒心を備えており、いち旅行者になんか目もくれ
ません。それもそのはず、イタリアは世界一とも言われる観光産業国なので、
旅行者なんか珍しくもなんとも無いのです。

中華系の移民、アフリカ系の移民、世界各国からの観光客、そして本国の商売
人たちが入り混じる中、ローマは静かに昔ながらのたたずまいを見せています。


ローマから列車で2時間半、ナポリまではあっという間です。そこから別の列
車に乗り換えて鈍行で1時間半。カンツォーネ『帰れソレントへ』で有名な、
小さな町ソレントからの発信です。


──今号のもくじ──

  ■一杯目のエスプレッソ
 ◆連載:ボイスレコーダーリプレイ
  ■麗しのナポリ 街歩き
 ◆連載:What's you mean ?


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□一杯目のエスプレッソ

ここまで違うかぁ〜?

エスプレッソを一口飲んでそう思ったローマでの初日。コーヒーの醍醐味とも
いえる強烈なまでの苦みが、まろやかさにすっかり包まれているのだ。

エチオピアでしこたま飲んでいたものにも強い苦みがあったけれど、喉に染み
入るようなトゲがあり、よく焦げ焦げの香りがしたためミルク入りのマキアー
トにしてちょうど良かった。

一方、イタリアで試したこのミルクを入れないエスプレッソは、見るからに濃
いやつを砂糖ざりざりにして喉に直撃させてみても、するりんと甘さと苦さを
残して通り過ぎてゆく。

訪れる客の注文のため店内にはときおり新鮮な香りが充満する。喫煙大国イタ
リアと言えど灰皿は無い。というかテーブルには何も無い。客はエスプレッソ
を受け取って、その場で砂糖を入れて、フンフ〜ンとか鼻腔を鳴らしながら好
きな席に腰を下ろす。カウンターの中ではバリスタがパニーニサンドを温め切っ
て皿に乗せ、食器を洗い調理器具をかたしながらこちらも鼻歌をくちずさむ。

そんな店内の空間を味わってからまたコーヒーカップに目を落とす。表面にま
だ乗っている薄茶色のきめ細かい泡はきっと、その下の液体が空気に触れて劣
化し始めるのを防いでくれている。カフェの雰囲気に包まれている心もきっと、
外の世界に触れることから遠ざかったまま保たれている。


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◇ボイスレコーダーリプレイ

まるでそれはオペラの舞台に立っているかのようだった。カトリック教会の中
に響くパイプオルガン、チャイム、聖歌隊の声、バリトンのソリストの美声、
司祭の声と動きに目を奪われながら、自分は合唱する群集の中にいた。

 ▽日曜ミサの合唱
 http://www.i-yan.com/travel/vol68/misa.html


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□麗しのナポリ 街歩き

ナポリの市街地は海に面した小高い丘の南東側斜面に展開している。垂直に切
り立つ集合住宅の間を細い道路がめぐり、土地の傾斜に沿って屋根が壁が窓が
折り重なるように独特の景観を見せている。

一方で、太く高い木々がそびえる公園や広場が視界を大きく切り開き、海辺ま
で下れば湾岸道路の先には静寂を流し込んだようなティレニア海がどこまでも
穏やかに続く。

 ▽ジャランジャラン・ナポリ
 http://www.i-yan.com/travel/vol68/napoli.html


密集と開放とが混在するそんなナポリの人口密度は、平方キロメートルあたり
8490人。これは東京都のその数値の1.5倍にものぼる。『ナポリを見てから死ね』
と言われる素晴らしい景観は競うように確保されており、丘の斜面に造られた
建物群は海を取り囲む群衆のようで、そこに設けられたテラスは歌劇場の観客
席のようだ。ヨットハーバーはまさに海上の駐車場といえる密度で海の一角は
埋めつくされている。

ナポリはそれほど、そこまでしても手に入れたいほどの麗しい街なのだ。


そして、ナポリといえば有名なのがピッツァ。小麦粉と塩と酵母だけで練った
素朴さのある生地に、地域特産物のモッツァレッラを乗せたら高温の石釜へ。
直径30cmもあるピッツァがものの1分で香ばしくふっくらと焼き上げられる。
縁と底面に焦げ目がつき、表面の具はジューシーでアツアツ。今しか無い!今
がおいしい!と、有無を言わさず食べきらせる迫力の味だ。

 ▽ナポリピッツァ!
 http://www.i-yan.com/travel/vol68/napolipizza.html


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◇What's you mean ?

 ▽What's you mean ?
 http://www.i-yan.com/travel/vol68/what070511.html


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┃   旅の最中のよい香り
│      発行者:いいやん

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