旅の最中のよい香りindex


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┃   旅の最中のよい香り Vol.008 〜屋久島特集前編 人と文化〜
│     2005/07/04 http://www.i-yan.com/
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 ○私は今ここにいます : 沖縄県 那覇市 牧志

はいさい〜、いいやんです。沖縄に上陸しました。

沖縄に来たのは5年ぶりくらいになります。国際通りの周辺は安宿が多く
あり、相場は相部屋で1泊1500円ほどです。「今日も暑いねー」なんて
言い合いながら、軒先でごはんを食べて楽器を触ってバカ話。物価は安く、
空気はぬるく、時間はゆるやかに過ぎていきます。

ここ沖縄の備え持つ『楽園度』は、間違いなく日本でトップクラスです。
その心地よさは、先へと向かう旅人にとっては甘い罠となり襲い掛かってきます。

さて、今号から2号に渡って、屋久島での出来事をお送りします。
「人と文化」と題した今号では、屋久島で出会った、これまたトップクラスに
親切なおいちゃんを取り挙げます。

──今号のもくじ──

  ■「金の無い奴ぁ、おいちゃんとこ来い!」
  ◆連載:鼻歌ヒットチャート
  ■屋久島の夜の宴
  ◆連載:こどもえま

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□「金の無い奴ぁ、おいちゃんとこ来い!」

「おいちゃん、お金はいらんのや。人との出会いが最っ高。
 2000円くらいで、おいちゃんご飯も作るし、お酒も飲ませたる。
 おいちゃんとこに荷物置いて、島ぁ回ったり、縄文杉を見に行けばいい」

そう語る『おいちゃん』こと川口春朝さんは、長年、商売抜きで貧乏な
旅行者を家に泊めては持て成してきた方です。今まで何百人という旅人が
おいちゃんの家を訪れ、全国からお礼の手紙や写真が届いています。


おいちゃんとは、一湊(いっそう)という町で出会いました。港から続く、
島をぐるっと周る県道をいつものように自転車を漕ぎ、起伏の激しさに
挫けそうになっていた時のことです。

浜辺の休憩所で「まあ休んでいきなさい」と言われしばし雑談をしていると
「良かったら、おいちゃんち来るか?」と、突然のぼた餅が落ちてきました。

そのお言葉に甘え、おいちゃんの家を拠点に屋久島を巡ることにしました。
ホテルマン時代に盗んだという料理の技で作るおいちゃんの屋久島料理を食べ、
食後には屋久島産の芋焼酎「三岳(みたけ)」をごちそうになりました。


 ▽おいちゃんはこんな人
 http://www.i-yan.com/travel/vol8/oi_sake.html


「パソコンに載せてくれるのか?」と、おいちゃんは大喜びでした。
住所や連絡先もぜひ載せて欲しいというので、ここに掲載します。屋久島で
地元の人と交流をしたい方は、おいちゃんを訪ねてみてはいかがでしょう。
宿泊を希望しての連絡も大歓迎とのことです。

<おいちゃんの連絡先>
 〒891−4203
 鹿児島県熊毛郡上屋久町一湊258−1 川口 春朝

 電話:(0997)44−2317
    090−3102−2288


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◇今週の鼻歌ヒットチャート

フェリーで出会った旅の人に教わったのですが、人間は五感のうち
どれか一つを主に使い、思い出を整理する性質があるそうです。

目を閉じると鮮明に浮かぶ風景や場面、メロディを聞くと思い出すあの頃の
気持ち、香水の匂いで心に浮かぶ人、など、記憶を呼び覚ますトリガーは
確かに五感にあります。旅路に歌を関連付けている私は、聴覚で整理する
タイプと言えるのかも知れません。

 1位 田舎の生活(スピッツ)
 2位 ルート2(奥田民生)
 3位 ?(「とぶくすり」オープニング曲)

ひとたび屋久島の山を登り始めると数え切れないほどの水場があり、
『♪なめらかに澄んだ沢の水を ためらうこともなく流し込み…』
って歌詞、そのまんまの世界でした。1位にランクイン。

2位に久しぶりに登場したのはルート2。島めぐりのためにレンタルした
スクーターがホンダのトゥデイでした。これならばこの曲の歌い出しも
サマになるってもんです。『♪HONDAがおいらの相棒〜』って。

3位はフジテレビで10数年前に放送していた深夜番組「とぶくすり」のオープ
ニング曲。『♪ヘーイ、ヘーイ、ヘーイ、ヘーイ』ってやつです。文字だと
どうにも伝わりません。音階が上がっていくのが発声練習ぽいんです。


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□屋久島の夜の宴

土曜日。朝からおいちゃんはウキウキしていました。
「今日はおばちゃん達が来るから」
と。夕方ごろから、一人また一人と近所のおばちゃんがやってきて、居間で
雑談が始まりました。

自分との対話でなく、土地の人同士の会話となると、横で聞いていても理解
できるのは良くても半分くらいです。話がヒートアップしてくるとそれは全く
理解できない音声になってゆきました。

 ▽会話の一部を録音しました
 http://www.i-yan.com/travel/voice/talk_yakushima.mp3


日も落ちた頃、おいちゃんは次々と料理を運んできました。
人数が多かろうと、徹底的におもてなしをする姿勢が感じられました。
おばちゃん達は「ほんに良か人じゃ」と言っていました。

食卓に上がったのは『首折れサバの刺身』。何とも物騒な名前ですが、これは
鮮度を保つために釣ったサバの頭をその場で落として血抜きをしたものです。
皆、酢醤油にワサビを溶いてこれを食べ始めました。自分でも試してみると、
酢の風味によって若干の臭みが消える感じがしました。


食事が終わると、酒盛りが始まります。芸人をしていたおいちゃんが三味線を
弾き、20年来の相方の山崎カシコさんが太鼓を叩き、それに合わせて皆が
入れ替わり立ち替わり踊ります。

 ▽三味線と太鼓にあわせて踊るおばちゃん達
 http://www.i-yan.com/travel/vol8/ob_dance.html

 ▽おいちゃんの舞踊
 http://www.i-yan.com/travel/vol8/oi_dance.html


「おいちゃん」「おばちゃん」と書いてはいますが、平均年齢は70歳以上の
「おじいちゃん」「おばあちゃん」達です。しかしこれだけ元気に踊り、
大きな声で歌い、笑う。そのパワーに驚かされました。いつまでもお元気で!


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◇今週のこどもえま

 ▽こどもえま
 http://www.i-yan.com/travel/vol8/kodomo050704.html


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 世界各国の食べ物の情報を募集しています。大概のものは口に入れて
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