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ジャランジャラン・リシュケシュ
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△天気も良いし洗濯もすっかり済んだ。
  リシュケシュの町をぶらついて、ついでにヨガマットも見てみるか。
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△アシュラムで飼われている子牛。今日も草を食む。
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△1リットルのペットボトルに冷たい水を詰めて準備完了。
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△野良牛避けのため厳重なアシュラムの入り口。
  門を出るとすぐ目の前のガンジス川は、上流が北、下流が南。
  ここから見ると水は右から左に向かって流れている。
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△門を出て右へ行くと商店街つながる。
  ガンジス川と平行に続く川辺の道を歩き出す。
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△近所のレストランで働く少年たちが自転車で追い越していく。うんこ踏むなよ。
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△毎朝通っているチャイ屋が右手に見える。
  雨が降るとこのへんの道のコンディションは最悪になる。
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△しばらく行くとやっと町らしい建物が見えてくる。
  右手に見えるは真っピンクの『GREEN HOTEL』。なんでとかじゃなく。
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△小さな露店と路上生活者の姿が点々と続く…。
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△青果屋台…チャイ屋台…牛乳配達バイク…チャイ屋台…チャイ屋台……。
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△徐々に人が増え始め、商店街のアーケードの入り口が見えた。
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△左手の揚げ物屋をはじめ、色々な店が軒を連ねる。
  ……しかしヨガマットは見つからない。
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△しばらく行くと左手上空からヒンドゥーの三神が見下ろしてる。
  擬人化されたヒンドゥーの神々はみな個性的で、時に愛嬌すら感じる。
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△川辺は整備され、沐浴のための石階段が作られている。
  先に見える橋は渡らずに、さらに2キロほど上流にある別の橋を目指す。
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△前を歩くおばちゃんのたどる軌跡が妙に邪魔っけなのは世界共通。インドも例に漏れず。
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△ゴミはポイ捨てが当たり前。かき集めるとこんな量になる。
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△子犬が安らかに眠っている。だいじょうぶ、死んでない。
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△賑やかな通りに沿って右折して、ガンジス川を背にして進む。
  何だあのチョティワラ・レストランって。
  アーケードの入り口にこんなどでかい看板を付けるなんて、どんなレストランだ?
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△こんな男が店頭に鎮座しているレストランだった。
  彼はチョティワラ・ババジだそうだ。老舗店のようでたいそう繁盛している。
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△チョティワラ・レストランの隣にもまた、チョティワラ・レストランが(新館か?)。
  入り口に座るのはこんな男。彼らは真面目に仕事をしているんです。
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△うし。
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△参道のような雰囲気の上り坂が続く。
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△かなりの樹齢がありそうながじゅまるの木。
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△坂道を登りきった。しかしどこまで行ってもインド人。
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△寺院へと向かう人波を避け、再び上流の方向へ歩く。
  この小さな峠を越えると閑散とした下り坂となるようだ。
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△突然現れた日本のアジア雑貨屋みたいな店の店頭にヨガマットが。
  マットが500ルピーでバッグが100ルピー……インドの物価からするとすごく高い。
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△やっぱり高いよなあ。600ルピーあったらペプシが100本飲める。
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△川からずいぶん離れてしまったので、左のわき道にそれて川沿いへと向かう。
  この辺は住む人も少なく、土地を遊ばせてる感じだ。
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△丘の上に経つ廃ホテル。外通路には…住人が。
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△ホテルの建つ丘から川へ向かって石段を降りていく。
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△初めの商店街からかなり上流の細い道に出た。
  右折して川沿いの道をさらに上流へと向かう。
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△大きな岩がスッパリ切られて台座になっている。
  どんな儀式にどう使われるのか想像がつかない。
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△対岸の斜面に沿って巨大な建物がいくつも現れた。
  ホテルのようにも見えるが、骨組みだけの打ちっぱなしの建物もある。
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△できることならば、生涯こういう建物には近づかずに済ませたい。
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△道の周囲に空き地が減っていくと共に、少しずつ人の気配が出てきた。
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△視界が開ける。もう少し進めば、川の両側が賑わっている。
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△橋がかかっているのも見える。
  あの橋を渡り、向こう岸を通って帰ることに決める。
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△賑わいが増していく。人がいて牛がいるいつものインドだ。
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△小腹が空いたところで、チベット風餃子『モモ』の屋台を見つけた。
  屋台裏の店舗にはネパールの民芸品やら楽器やらが並ぶ。
  ネパール人の顔は日本人によく似ている。屋台カウンターに座る彼もきっとネパリ。
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△屋台脇のテーブル席に座りしばらくするとベジタブルモモが運ばれてきた。
  見た目は小龍包、中身はキャベツベースのシンプルな炒め物。
  スパイス香る激辛ソースが添えられ、野菜と皮の甘みにとても良く合う。
  しかしあまりの辛さに汗が一気に出てくる。
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△地形の起伏に沿って街並みは続く。橋のたもとはもうすぐ。
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△ここでもシヴァ神がお出迎え。いよーっす。
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△遠くからも見えた、ひときわ高い建物の近くまで来ていた。
  赤白黄色にカラーリングされて堂々とそびえ立っている。
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△ここもヒンドゥー寺院のようだ。
  参拝者は各階の廊下を歩きながら、途中に設置された鐘を鳴らす。
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△てっぺんを見上げる。高い。エレベーターなんかきっと無い。
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△人々に混じって橋を渡る。ラクシュマン・ジューラ橋。
 聖なる流れに架かるのは、 バイクがすれ違うのがやっとの細長い橋だ。
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△安全面は万全。しかし立ち止まっての記念写真や、物売りや、
  無理矢理入ってくる屋台などの影響で人が詰まってしまいしょっちゅう渋滞する。
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△おさるの親子。ここでは珍しくないから注目されない。
  それはおさるにとってきっと幸せなことだ。
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△橋を渡り左折する。少し賑やかな通りに出た。
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△宗教具やらポストカードやら首飾りやら、
  外国人旅行者そっちのけの土産物が並ぶ商店街。
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△ゆるい山道の脇に神社があり、カーリー神の像がある。

  カーリー神は女性神で、右手に刃物を持ち、左手に生首を持ち、
  生首を連ねた首飾りを下げ、足元にはシヴァ神を踏みつけている。
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△初めに歩いた商店街へ繋がるラム・ジューラ橋が見えてきた。ここを渡ればもう宿は近い。
  昼過ぎに出発してから約6時間の長い道のりだった。
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△ふと、ここで私は足を止めて橋を渡る人々を眺めた。

  人々はどんな気持ちで聖地リシュケシュを訪れるのだろう。
  遠方からはるばる聖地を訪れ、聖なる川で身を清め寺院を巡る。
  その意味と価値を人々は決して疑わないだろう。
  それならばこの光景は、人々の目には、より厳かで幻想的に映るのだろう。

  ………その光景を見た気持ちを味わうことは、部外者にはできない。
  インドの服を着たって、インド人の真似をしたって、気持ちは大して近付かない。
  大陸に生きる人々もそれは知っている。だから彼らは異文化を排除しない、むしろ尊重する。
  何処の誰とも知れぬ旅人の居場所があると言い替えることもできる。

  つまり、外国人は外国人らしく、能天気にマンゴーでも買って帰って貪り食うのが正解ってこと。
  宿までもう一歩き。今日は良い散歩ができた。



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