ジャランジャラン・デリー
△インドの主都デリーにて、ある昼過ぎにバスに乗り西の方角へ向かった。
△15分ほど幹線道路を行ったところで下車。ここは“East Patel Nagar”というところ。
△鉄道の高架下にはホームレスの子供たちが熟睡している。
△ラウンドアバウト交差点の中央に張られたテント。
子供たちの住まいはきっとこの中のひとつだ。
△少し歩くと入り口に頑丈な門のある道に出くわした。入っていいのか。
△その通りは高級住宅街だった。門と柵とアルミサッシとガラスが財産を守っている。
△高架下の道路に戻った。高架に沿って西へ西へと歩いていく。
△なんだかおもしろそうな匂いのするこの路地に興味をひかれた。
△細い道をリクシャーや屋台車が行き交っている。
路地の先を右へ入り裏道を歩く。
△とらえどころの無い雑然とした風景だ。道は徐々に細くなる。
△レンガ造りの建物がひしめく。
△見上げるとおばちゃんが見下ろしていた。じろっとこっちを見ている。
△さらに歩き、大通り方向へと右折。
小さな店がてんてんとする庶民エリアが続いている。
△大通り沿いへと戻った。商店が並び賑わいある街並みだ。
△見晴らしの良い中央分離帯を歩くことに。
通り沿いの商店をウォッチングしながらぶらぶら歩く。
△…家具屋、ペンキ屋、金物屋、レストラン…
△…一応写真スタジオ…それからええと、なんだかわかんねえや。
△…植木鉢屋、隣も植木鉢屋、写真屋…
△ドライフルーツやナッツオイルを扱う店をみつけた。
店名は“Ahuja Bros”。少し店内を物色することにする。
△チャイ用の茶葉やシロップ漬けのフルーツもある。
△クラッシュしたアーモンドからオイルを抽出している。
ピュア&フレッシュがこの店のウリだ。素手だ。
△店主のおっちゃんプレンに妙に気に入られたみたいだ。
私をバイクのけつに乗せ、どこかへ連れて行ってくれると言う。
プレンは、信頼性の低いインドの道を70km/hオーバーで滑走するわ、
反対斜線の路肩を逆走するわ、走りながら他のドライバーと怒鳴り合うわ、
ノーヘルの身としては気が抜けない。
△野菜と果実が取引される巨大な卸市場に着いた。
そうか、プレンは食品屋のオーナーだけあって、俺らは食いしん坊仲間なんだな。
△場内は大きな貨物自動車が往来する。
今の季節はヒマーチャル・プラデート州からリンゴが大量に運ばれてくる。
△市場の内部の様子。ゆっくり働く人々を見ているとなごむ。
△インドのレモンは小粒でまんまる。その洗う水は取り換え時ではあるまいか。
△またプレンのバイクにまたがり市場を後にする。
“キングスウェイケイム”という郊外の繁華街で降ろしてもらい彼と別れた。
△一息付こう。ここらへんはジュースやスナックも豊富にありそうだ。
△客が群がる揚げ物屋の店先を覗く。
「これいくら?」「4ルピーか6ルピー」「え?」
△6ルピーを選んでみた。豆とジャガイモのカレーに
“チョーリ”という名前のサクサク揚げポテトが添えられる。
スパイシーでクリスピー。わざわざ日本円に変換すると1皿15円也。
△服屋や生活雑貨店も多い。裕福な地元民向けのエリアのようだ。
△食料品店も店構えからしてそこらとは品揃えが違うことがわかる。
△「あーっ肉だ!肉を食おう」 “Singh Chicken & Mutton Shop”の看板を見て吸い込まれる。
△2種類のスィク・ケバブ。上がチキン、下がマトン。
生姜やチリを混ぜ込んだ挽き肉を、ちくわ状に焼き上げた一品。併せて24ルピー。
△腹ごなしの散歩をしていると、明らかに貧民街とおぼしき家並みが見えた。
△その中へと踏み込む。
ここの風景はインドに来る前に心に思い描いていた情景に限りなく近い。
△貧民街のすぐ隣に、またも高級住宅街。このギャップにはくらくらする。
△このエリアにも数年のうちにメトロが開通する。
人々の暮らしや街並みは、良くも悪くも変わらざるを得ない流れの上にある。
△見知らぬ町に日が暮れていく。そろそろ帰らなくちゃ。
△夜の混みあう道路をバスは進む。
今日一日の出来事を思い出しながら、デリーのこと、インドのことを考える。
△夜8時、バスはニューデリー駅へと到着した。
駅構内を通り抜けながら、金曜の夜のプラットフォームの様子をちらっと見ることにする。
△う~~~わ~~~~~~、こんなとこ混ざりたくねえぇぇぇぇ!
インドの列車の乗車券は絶対に指定席券を買うべきだ。
東京のラッシュアワーに慣れた日本人でも自由席は乗りこなせるもんではない。
△宿のあるメインバザール“パハール・ガンジ”はまだまだ賑わう。
ツーリストとデリーっ子と御上りさんの遊び場の雰囲気はのんきなもんだ。ただいま~。
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