ジャランジャラン・トライバルエリア
△昼から混み合うサダル・バザールを抜け、フセインの事務所を目指す。
△ネット屋を兼ねるフセインの事務所。
民芸品と客とパソコンに挟まれ身動きがとれなくなっている彼がフセイン。
△今日はフセインに、トライバルエリアあたりのおもしろスポットへ連れてってもらう。
車で走ること30分、町の中心から25kmほど離れたところにトライバルエリアとのボーダーがある。
△あっさり到着。ここはスマグラ・バザール。
無法地帯と現世とのグレーゾーンにある市場だ。
△いきなりAK47ライフルを構えてノリノリのフセイン。
背景の花瓶は、こちらもパキスタン国内では流通しえないブランデー『ナポレオン』。
△スマグラバザール名物のペン型の銃。
「“JAPAN”って書いてあるけど?」
「日本製は品質が良いから、勝手に書いてるんだよ」
△外を歩けば、そんな感じの商品を扱う店が続いている。
各店舗の小さなディスプレイには堂々とあんなものが展示されている。
△基本的にみんな暇そうだ。薄利多売とは縁が無さそう。
△映画館。只今上映中。
△つっても、まあ、こんなだ。娯楽には乏しそうだ。
△まっとうな商売もあるが、そもそもまっとうの定義がここでは難しい。
ただひとつ感じるのは、ここの人々のほとんどは争いやリスクを好まない商売人だということだ。
△車を停めてある広場のあたり。
子供もいれば犬もいる。真ん中の人はシャワールをたくしあげて座りションしてる。
△スマグラ・バザールを後にしてレンガ工場を目指す。
パキ人が親子で自転車やバイクに乗る姿が文句無く好きだ。
△レンガ工場に到着。この土地の使いっぷりはさすが。
△アフガン難民と思われる子供たち。
彼らは教室で学ぶこと無く働いている。
△レンガの材料はここの土。水でこねてセメントを少し混ぜる。
△空気は乾燥しきっている。彼らはため池を作って雨水を確保する。
△そして飲み水はというと、人が町から運んで来なくてはならない。
△「足元に注意してね」とフセインが言う。
地面の下で成型済みのレンガを焼いているそうだ。
△穴の中は真っ赤な炭と熱されたレンガが奥まで続いている。
△地下構造を横から見たところ。
△大量のウレタン廃材。レンガを焼く燃料になる。
△蓋を開けて炭とワラを混ぜた燃料を投入している。灰色の煙がバッと上がる。
△変わってここはアフガン・バザール。大通りに面した賑やかな市場だ。
△ここの商品の多くは、アフガニスタンからトライバルエリア経由でここまで運ばれる。
つまり関税がかかっていないのだという。見た目には何ら特別なものは無い。
△玉ねぎ・きゅうり・ラディッシュ(細い紫大根)のサラダを売る子供たち。
△牛の脚の煮込み。トロトロに煮えている。
△ところ変わって、ここはトラックの装飾工場。いわゆるデコトラ。
△細かいプレートまで含めすべて手作りだ。アフガン人はたくましい。
△こうした立体的な造形は、地道につちかわれた職人芸のたまものだ。
△内装ももちろんゴージャスに。この段階はまだまだ序の口だという。
△事務所に戻りメールをチェックするフセイン。
「フセイーン」
「ん?」
「ナマック・マンディに行きたい」
「一体誰からその名前を聞いたんだ!?」
△ナマック・マンディは旧市街にある名レストラン街。
「一番有名なコックの店に行こう」とフセイン。
△ラマダンで定められた断食の時間はあと30分を切った。店内は大忙しだ。
△マトンの塊を切っては鍋へ切っては鍋へ。
△ぎらつく店内で、飢えた男たちが肉を待つ。
△きたきた!『マトン・ティッカ・カライ』
多量の油で揚げるように調理した肉に、トマトやチリを加えてざっと煮た料理。
いただきまーす。
△ごちそうさまー。
△なんかサッパリしたものが欲しいとこ。
エンジンでギアを回転させているこの屋台は…
△しぼりたてのサトウキビジュース屋台だ。
ひんやり~&あっさり
△「今日はどうだった?アーユーハッピー?」
「うんハッピーだ。なんかフセインは生活資金は十分ありそうだね」
「そうなんだ。実は僕の父親は金持ちで…」
フセインはアフガン難民救済活動の一環としてガイドをしている。
旅行者にアフガン難民の状況を知ってもらうことと、
利益をノートや教材などの費用にあてることを目的としている。
「どうしてそんなに熱心なの?」
「もはや趣味さ」
Kausar Hussain
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