雑食マップとは


  「日本の食文化を知りたい」と言う外国人に出会ったら、何を食べさせようか考えたことがある。色々と考えた結果、まずはコンビニに連れて行こうという結論が出た。スシやトウフやテンドンも良いけれど、もっと身近なところに日本らしさは転がっているからだ。コンビニで外国人に一押ししたい商品は、赤飯のおにぎりととろろ蕎麦。「これが日本のソウルフードだよ」なんて言って食べさせれば、きっと驚いてくれると踏んでいる。

  海外で認知されていない日本食が山ほどあるように、多くの日本人が知らない食べ物は世界中に数限りなくある。それらの多くは庶民の食生活の中にあるのではないかと常々思っていた。田舎に行けば素朴な郷土料理があり、都市部ならば伝統と流行とが混じり合い、さらに近隣の国々のエッセンスが取り入れられていることだろう。

  それらの雑多な食べ物のデータを記録・分類するにあたって、料理のカテゴリ分けはあまり意味をなさなかった。例えば日本のコンビニで売っている『カスタードまん』が中国料理なのか日本料理なのか、パンなのかデザートなのかはどうでも良くて、どこでいくらで買ったのかが思いのほか重要な意味を持っている。

  国内と海外とを巡りながら、食べたものとその位置を地図上に記録していくのがこの『雑食マップ』である。歴史ある伝統料理も、どこかの国から持ち込まれた料理も、分け隔てなく記録として同列に扱う。この地図が充実した時、そこからは何が読み取れるのだろうか。



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