三重県伊勢市
『とりなんば』(鶏南蛮)
若草堂 500円


 具は鶏肉とネギ。たっぷり乗っていて、鶏の良い獣臭さがある。 うどんはとても太く、もっちりにゅるにゅるとした触感だ。讃岐のコシとは全く違ううどん。 コシは無いのに弾力は十分にある。唇でパフっとはさんでにゅにゅっと食べる。滑らかに 喉を過ぎていく。

 表面に油膜があり、その下のつゆはものすご熱い。 かなりしょっぱめの味付けだけれど、太い麺とのバランスではないかと思う。

 お店は増改築を繰り返したような不思議な造りで、老夫婦が経営している。 コーラやビールのロゴ入り看板やポスターが並び、土産物やアイスが売られ、手書きの売り文句の 貼り紙だらけのカオティックな空間。

『伊勢うどん玉子入り』
不明(『食べ処』の看板) 400円


「玉子は中で蒸らしてますんで、かき混ぜて召し上がって下さい」

 たまり醤油の濃いつゆの上にうどんが揚げられた ような盛り付け方だ。色は濃いがしょっぱくない。 やはり触感は特徴的で“うろん”という擬態語が似合うほど。エロいくらい。

「東京の方のお口に合いましたかあ?
 伊勢うどんはお店によって少しずつ味が違うんですよぉ」
と、京風のなまりの女性の店員さんは言っていた。 伊勢神宮すぐ近くの「おかげ横丁」の入り口にあり、多くのタクシー運転手に愛される店のようだ。

『伊勢うどん』
宇治御飯店 200円


 つるんとしたやわらか麺に、複雑な味のタレがまとわりついている。 酸味・甘味・塩味のバランスが良く、正に良い塩梅だ。
 カウンターとテーブル2つのお店で、 やさしそうなおばちゃんがうどんを作ってくれた。

 他のお客さんを観察すると、入るなり「とりあえず」と人数分の うどんを頼み、追加でおかずやらお酒やらを注文していた。 これが伊勢うどんの位置づけなのだろうか。

ぱんじゅう『つぶあん』
蜂蜜ぱんじゅう 50円


 たい焼きや大判焼きと材料は似たようなものだろうけれど、 薄皮がパリッと焼けていて、中には熱いあんが詰まっていて、とてもおいしかった。 ホカホカのあん、大好きだ。

 『ぱんじゅうって何ですか?』と聞いてみると、 なんでも、伊勢に昔からあるもので、「パンみたいなまんじゅうだからぱんじゅう」だそうだ。 おもろいネーミング。


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