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Travel in Europe 1
 2004年6月12日~20日、ヨーロッパ旅行をしました。

 生涯3度目の海外旅行となる今回は、初の一人旅となりました。旅のテーマは『放浪』。にわかバックパッカーとなり、さすらいの長旅をしてる風な空気を満喫します。そんな旅では、行く先々のガイドブックはありません。会話は小さな辞書とTOEIC400点の英語力で挑みます。30リットルのバックパックにいろんな物を詰め込み、パスポートと航空券だけは忘れずに、駆け足での出発。あとは現地でなんとかしよう。

 『オープンジョー』という行きと帰りの空港が違う航空券を入手したので、13日にオランダの地を踏んだら、19日までに自力でオーストリアへ辿り着かなくてはなりません。なんかミッションみたいでワクワクします。お金も期限も限られた旅なので、不本意ながら国際列車の値段と時間だけは事前にしっかり調べておきました。よし、ドイツで1泊するか。

それでは出発~。
■往路

 台北とバンコクと、2度の乗り継ぎをしながら、航路はアジア回りでオランダへと続きます。合計5回の食事を取りながらヘトヘトになりつつ、延べ20時間以上をかけてやっとオランダのスキポール空港へと到着…。そこに待ち構えていたのは入国審査です。まだ旅がスタート地点にも辿り着いていなかった事を初めて自覚しました。

  「一人ですか?」
  『はい』
  「オランダに知り合いはいる?」
  『いません』
  「じゃあどこに泊まるんだ?」
  『安いホテルを探します』
  「帰りのチケットはあるのか?」
  『オーストリア発のが…』
  「そこまでの列車の予約はしてあるのか?」
  『いや…』
  「んー…」(だいじょぶかコイツ、と言いたげな顔)
  『あ、あの、観光ですよ』
  「詳しく話を聞きたいんで、ちょっとこちらへ来て下さい」
■オランダ編

 出鼻をくじかれ、ややヘコまされながらの入国となりました。空港でとりあえず両替をすると、8万円が567ユーロになりました。移動と食事と宿泊費と、これで全部まかなえるだろうか…。見慣れない券売機で切符を買い、車掌さんに助けてもらいながらアムステルダム中央駅へと到着したのは、飛行機の到着から4時間が過ぎた頃でした。

 アムステルダムの街並みは非常に美しく目に映りました。水路が張り巡らされ、それに沿って伸びる道路と交わる道路。統一された建物の外観。細い水路沿いに続く石畳の並木道には何とも趣があります。






□ごはん食べよう□

 何よりもまずは、空いた腹を満たします。街を歩き、気になったケバブ屋に入店。「YEAH!! YES!」焼き上がりになぜかノリノリで叫び出すおっちゃんに、ケバブを注文しました。

 皿に山盛りになっている肉は、隣のピタパンの中にもぎっしり詰まっています。ガーリックマヨネーズ・チリソース・ケチャップをお好みで混ぜ合わせて食べます。チリソースはタバスコのような酸っぱさは無く強烈な辛味、ケチャップにはピクルスの角切りがゴロゴロと入り、一口ごとに変わる味わいに気が付けば没頭していました。

 腹も落ち着いてきたところで、おっちゃんに話しかけます。

  『俺、オランダ初めてなんだ』
  「そうか、ここは良い国だぞ!」
  『おちゃん、このへんで安いホテル知らない?』
  「知ってる知ってる、そこの角曲がったとこの
   “Flying Pig”ってところ、あそこは最高だ」
  『ありがとーぉ』

 空飛ぶ豚のロゴが眩しい“Flying Pig”のラウンジは明らかにどうかしちゃってる雰囲気でした。フロントで聞いてみるとあいにく空きベッドは無いとのこと。フロントで地図だけ購入してそこを後にします。

 付近をぶらぶらと歩き、目に入った“HOSTEL”の看板の建物へ入ってみました。バーカウンターに姿を見せたじいさんは、一目で私の意図を見抜き「1泊20ユーロだ」と言いました。


Hostel Aroza”のドミトリー(相部屋)。
窓際のベッドに寝ることになった。

□夜が来て明けて□

 長いフライトで疲れたからか、日が落ちる前に眠りに落ち、目が覚めたのは翌朝のことでした。同室の旅行者達と挨拶を交わし、昨日買った地図をひろげることしばし…………ん、ここにチューリップマークが描いてある道があるよ…ちょっと行ってみるか。

 すごい、道のこっちからむこうまで花屋がずらりと並んでる! どの店にもチューリップだらけのワゴンが出てます。見たこと無い色のチューリップがたくさんありました。

 目当てのゴッホ美術館を訪れた後は、街中をひたすら歩きます。観光名所巡りも良いですが、商店や路地や公園でこそ土地のものに触れることができるからです。また、見慣れない街並みは散歩好きにはたまらないものがあり、大いに刺激になります。

 オランダと言えばチーズがおいしいことで有名です。チーズ専門店でブリーを買い、スーパーで買ったマンダリンと共におやつとして食べました。チーズは完熟でかなり臭い。しっかり塩味が効いてて、常温保存できそうなくらい。クセの塊のような奴です。でもそこが…うーん、うまい。ブリーはフランスのチーズだろ、ってツッコミは置いておいて下さい。

多種多様なチーズが揃っています。 オリーブやアンチョビも売っていました。


□アムスで出会った動物達□

 アムステルダムでは、街中でたくさんの動物を見かけました。大きな街ではありますが、都会っぽさというものはあまり感じられないため、動物達にとっても過ごしやすいのかも知れません。

植木に頬擦りする猫。 街中なのに大きな鳥が。
ハトは日本と似たようなもんです。見たこと無い小鳥もいます 飼い猫 耳がかっこいい。
スーパーにも猫が。 コーヒーショップの前でだらけている犬。
■ドイツ編

 オランダに着いてから2日目に国際列車のチケットを入手しました。ミュンヘンまで112ユーロ。懐にちゃんとお金があったことに安堵感を覚える瞬間です。

 3日目の夜に夜行列車に乗り込み、深夜には国境を越えてドイツへと入国します。国境で『この帽子ドイツんだ?』『オランダ』を、やれ!…と、ある人に言われていたのですが…、国境を越えたことにも気が付かないほどぐっすりと眠り、目が覚めたのはミュンヘン中央駅にまさに到着する瞬間でした。その間、荷物も顔もパスポートもノーチェック。EU内の移動って楽だなぁ…。


 小雨が降る、肌寒い早朝の街へと踏み出しました。ミュンヘンの街は道路が太く、長く、土地の使い方が大きいので、歩き回るには少ししんどい作りをしています。駅まで徒歩10分ほどのホテルにチェックインし、フロントで地図をもらうと、雪崩れ込むように部屋のベッドへと寝転びました。

 地図を見て何が楽しいって、その地図の中に現在地があることがです。地図上の気になるところと自分のところとの位置関係がわかるのです。これには縮尺の大小は関係ありません。街の地図ならば話は簡単で、気になるところには行ってみれば良い。レンタルバイクの広告と裏表になったミュンヘンの街の地図を眺めていると、駅の東側には広場があり、道はそこから放射状に広がっていることが見えてきました。この広場が賑わっていそうだなあ……そんな好奇心が湧き上がると、疲れはどこかへと消えてしまいました。私は手荷物だけを持つと再び街へと出かけました。


□ミュンヘンを急ぎ歩く□


いつの間にか空は快晴です。

 ちょうどお昼時に広場へと辿り着きました。昼間だというのに市場のように露天が並び、たくさんの人が行き交っています。やっぱり噂に違わずドイツは肉屋がすごい。オランダで見たチューリップ通りのように、ずらりと何軒も肉屋が並んでいます。他には、サンドイッチ屋・魚屋・パン屋・果物屋・ベーコン屋………ベーコン職人と思われるおっちゃんが一人居て、山のようにベーコンが積んであります。よーし、味わわせてもらうぜおっちゃん。明日向かう予定のウィーンの訪問先と実家用と、2つの塊をお土産として購入しました。

HOTEL MAYA”35ユーロのシングルルームはかなり良い雰囲気です。 ベーコンとオレンジと、1ユーロショップで買ったカレーリーフ。このベーコンが後で大変な事に…。
肉屋。豚バラ肉は皮付きが基本。 市場には立ち飲みのコーヒー屋もあります。


 ミュンヘンはビールが有名です。なんでもドイツ1の消費量だとか。そしてもう一つ、羊の肉から作った白いソーセージもミュンヘン名物だそうです。『地球の歩き方』を立ち読みした時に紹介されていた白ソーセージの名店“Donisl”を偶然発見。こりゃ食べておくしか無いでしょう。

 白ソーセージとビールを注文。ソーセージはお湯に浸かって出てきます。

 輪切りにして皮を押さえてコロコロ。皮は弾力があり噛み切れないので外して食べます。なめらかでふわっとした不思議な触感です。味付けはまろやかながら、強烈な動物性の味わいがグッと来るので、ビールとの相性は文句なし!

 広場のすぐ近くにあった、大きな教会を訪れました。

外観 内部
ステンドグラス 地下室には
独特の静けさが
ありました。


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