高雄市
『魚スープそうめん』
ゴウさん宅 priceless


 「サバヒ」という淡水魚をぶつ切りにして生姜と共に煮込んだスープに、 日本のそうめんを合わせた暖かい汁麺。日本のそうめんはスーパー等で買えるが、 台湾ではそれほど一般的では無いそうだ。

 スープはあっさりしているが、輪切りの身はなかなか濃い風味。 魚の皮や頭はゼラチンぷるぷる。身はほくほくで、淡水魚のもつ渋みみたいな風味がある。 魚臭さもかなりあって、人によっては魅力と紙一重だろう。

『肉燥飯』
自助餐 20元


 「滷(ルー・濃いめのタレで素材を煮込み、味を染み込ませる)」された豚肉と玉ねぎが、ご飯の上に乗っている。 ムニムニした細かい肉は味わい深く、プルプルのゼラチン質が混じり、玉ねぎは甘い。 さらっとしたタレが適度に飯に染みている。米は日本のものと同じく、箸でつまめるくらいの粘りがある。 全体的に醤油味で、鼻にクッと抜ける独特の清涼感がある。 豚皮のプリッと弾ける触感は絶品。

『台湾の家庭の晩ごはん』
王さん宅 priceless
 台湾のご家庭にお邪魔して、ご飯をご馳走になる。王さん宅ではTVを観ながら適宜食べ始める。 みんな揃って「いただきます」って習慣は無いらしい。
タケノコのサラダ


 タケノコをブロックに切り、マヨネーズを絞った一品。 ごく柔らかく癖も無い。甘みがあり、少ししっとりとしたところに マヨネーズの風味が加わり、スイートコーンにマヨネーズを和えたものに似た味がする。
いんげんとひき肉の炒め


 いんげんのさやは、食べ慣れているものより太くて、噛むとキュッと鳴るような触感も強い。 ニンニク風味の効いた、ご飯によく合う料理。
北京ダック


 日本で北京ダックが超有名であることを、こちらの人は知らない。
「これは鴨の焼いたやつ。北京の料理だな」
と紹介してくれた。

 厚みのある柔らかい皮に、テンメンジャンにくぐらせたネギと鴨肉を乗せて包む。 あむっと食べれば拡がる甘みとうまみ。続いてネギの辛みと風味がそれを洗い流すように拡がる。 肩の張らない家庭料理なので、「パリパリの皮だけ」なんて言わずに肉もたっぷりついている。

『精進料理のちまき』
自室(ローばあさんにもらう) priceless


 南京豆・菜っ葉(味付きで固く絞った感じ)・しいたけ・味付きの湯葉か豆腐のようなものが入っている。 豚肉は使われていないがボリュームは満点だ。 薄めの醤油味で、みっちりもちもちとしたもち米の触感。腹持ちも良い。 肉の代わりとなっている大豆加工品はとてもうまく肉に似せてあり、 ホロホロと繊維状に崩れる触感まである。もちろんあのコッテリとした感じは無いが、関心させられる。

『排骨麺(パイコーメン)』
排骨[酉末]湯 50元


 豚の骨付きの肉を揚げた排骨を乗せた麺。じゅっと崩れる煮た大根とコリアンダーの葉が共に乗っている。 排骨は、揚げて表面の組織が粗くなったところにスープが染みている。 麺は小麦の香りがする細いストレート麺。角切りで、スコッと軽い歯切れ。 丼の底にぐるぐるとねじ込むようにして、小さな丼にみっしりと麺を入れる。 スープが少なくて済みそうだ。屋台の知恵が見えた瞬間だった。

『黒タピオカ入り紅茶』
50嵐(チェーン店) 20元


 レッドティー(つまり紅茶)にミルクと氷とガムシロップを入れてシェイクし、 ブラックタピオカを沈めたソフトドリンク。日本で数年前に流行った後すたれちゃったアレだ。 こっちでは定番ドリンクなのに日本の超サイクルでは既に過去のものだなんて、 なんか申し訳ない気持ちになるのはなぜだろう。

 ムニュムニュの触感と、甘めのアイスミルクティーの幸せな取り合わせ。 飲み進むとタピオカは氷の影に身を潜めるようになり、 それを太いストローの先で探りながら飲むのが自閉気味でおもしろい。


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