ドンハ
  南北ベトナム時代の境界線に程近い小さな町ドンハ。 周辺のみどころは点在する戦跡と海だけ。 鉄道駅から数キロ離れたドンハ市場は、 まるっきり旅行者とは無縁の世界のように思える。 しかし人々は誠実で人懐っこく、時にお茶目だ。

『豚のフォー』
メイン通りの店舗 Tan Ngoc Sang 10000ドン


薄切り玉ねぎ、茹でた豚バラ、ネギを乗せたシンプルなフォー。スープには黒コショーが効いている。 テーブルに必ず置かれている、チリソース・ニョクマム・唐辛子のおかげで、どの店のどんなフォーでも 好みの味わいにできるというのはすごく面白い。 (そのため味の評価は似かよってしまうが)

『Chao Ca(魚粥)』
ドンハ市場横の通りの屋台 10000ドン


これまた『お粥』の名をもつスープ米麺。生ネギと炒めネギが交ざって浮いている。 一人前ずつ鍋で仕上げるが、その際にふんだんに使われる自家製の唐辛子ネギ油が 香ばしい風味と強烈な辛さを出す。 テーブルの酢漬け唐辛子はまた別方向の味を加えてくれる。

具の白身魚は、浅く平たい大鍋にぐるりと並べて香味野菜と共に静かに煮たもの。 ホロッとやわらかい。麺はコシとしなりがあり韓国冷麺を思いださせる。 辛さと熱さと湯気をぜんぶ飲み込みながら食べ進むと、最後にドンブリの底に溜まったコショーががつんとくる。

『Chao Cha』
ドンハ市場前の天秤屋台 5000ドン


市場前の広場で、女性が大鍋に作った料理を竿天秤でかついで持ってきて売っていた。 『Chao』は『お粥』と訳されるのが、お粥より意味は広いようで この料理では太いうどんのような米麺が入っている。

スープはうずらの卵、鶏団子、鶏肉、溶き卵と具沢山。 パクチー、生唐辛子、塩コショウがトッピングされている。

玉ねぎスライスを煮た柔らかな香りで、 表面に浮かぶラー油が口をカッカとさせる。 米麺は噛むとブツリと切れる感じで滑らかさは無い。

『Ca Sot(魚フライ)』
Cua Tung ビーチの店舗 30000ドン


バリッと揚げた魚の切り身をトマトソースで煮込み、 炒めたトマト、パイナップル、玉ねぎ、ネギと共に盛り合わせた料理。 味付けは食材の組み合わせから酢豚が連想される。 系統としてかなり近いが、日本でおなじみの酢豚の味に比べると甘みが少なく酸味が鮮やか。

骨ごとぶつ切りの魚の身はほっくりとして、 硬く揚がった表面にトマトソースが染み込み柔らかく崩れるほどに馴染んでいる。 魚の身は薄味で、ホコホコと良い香りが湧き上がる。 魚を揚げる際に鍋の底に竹の葉のようなものを敷いていたが、 その香りが移っているのかもしれない。

つくりかた
1.
たっぷりの油に竹の葉(?)をしいて中火で熱し、魚の切り身を入れてふたをする。 頃合を見て魚を裏返し、側面を含めてしっかりと揚げる。
 →油は熱いまま何かが入った器に注ぎ香味油を作っていた

2.
ニンニクと油で野菜を炒める。味付けしてからネギを入れてざっと混ぜて置いておく。

3.
香味油とニンニクとトマトの角切りをフライパンに入れ、トマトソースを作り、 煮詰めて濃くなったところで揚げた魚を入れてソースをからめる。

4.
魚とトマトソースを皿の真ん中に据え、それを囲むように野菜炒めを盛り付ける。

『ソイ・ガー』
SeponTravel(バス発着所)前の屋台 7000ドン


落花生入りのもち米の上に小ぶりの骨付き肉をドン。アヒルのもも肉だろうか。 肉は柔らかく、ニョクマムと唐辛子とレモン汁で味付けされている。 もち米を強く噛むと落花生がコリッとして心地よい。 米に煮汁をかけて食べると“甘辛しょっぱ臭い”感覚の味がしてとてもおもしろい。


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