ハノイ
  ベトナムの首都ハノイ。国内の政治や工業の中心地。

  「一体どこにこれだけ人が!?」と思うほどの人口密度。 ベトナム名物『ビアホイ』は昼間から満員で男たちがビールを飲む。 街角には椅子を並べた床屋やら客待ちのバイクタクシーがたくさん。 日が落ちれば帰宅ラッシュ、道路はバイクの濁流で埋め尽くされる。

  市場は大小数え切れないほどあり、働くのは女性ばかりだ。 衣類や食品をはじめ、あらゆる生活必需品が市場に集中する。 市場に併設された飯屋では“安い早いウマい”料理が提供され、 食べに来るのはやはり働く女性たちだ。

『定食(COM BAO:ごはん・皿)』
ハノイ近郊の国道沿い飯屋 10000ドン


おかず盛りご飯、付けダレ、スープ、漬け物の定食。

おかずは鶏、豚、ハム、豆腐、卵、空心菜と一通りのものがずらり。 肉は醤油ダレで柔らかく煮てある。豆腐は揚げて煮込み、卵は茹でて揚げてある。 空心菜はくったりと炒めてあるが歯切れよし。 付けダレはしょっぱくてニョクマムの香り。

漬け物はセロリとニラで、古漬けのように色あせている。 染み入るような酸味が味わい深い。

スープは梅干のような酸味がある。タマリンドの果肉と思われる。 澄んでいてぬるく、鶏のダシの味がうすーくする。

『PHO TAI GAU(牛スジ肉のフォー)』
表通りのフォー屋 10000ドン


店のおっちゃんに「フォー」と一言言ったら出てきたもの。 フォーを湯通しして空の丼に入れてパクチーを乗せ、 さっと湯がいた牛の細切れ肉を乗せ、熱いスープをかけて仕上げる。 熱が通ったばかりの牛肉はかなり柔らかい。

ライム、ニョクマム、酢漬けの唐辛子、チリソースで調味して好みの味にして食べる。 酢漬けの唐辛子は黄色とオレンジ色で、まるで柑橘系の果物のような爽やかな香り。 しかし、もちろん辛い。

『鶏団子とトマトのブン』
商店街のブン屋台NAM BO 7000ドン


つるんとしててプニプニした触感の米麺ブン。見た目はスパゲティによく似ている。 丼にブンを入れ、色々な具を煮込んでいる鍋からスープと具をかける。

鶏団子、トマト、ネギ、パクチー、別皿には生のもやし、サニーレタス、しそ。 鶏団子はしっかり締まったミンチの触感。酸味がある。ぐっと濃いコクのあるスープだが、 別皿の生野菜を入れると一気に様々な香りと触感が加わりとても賑やかな味に。

『バインミー』
ハノイ駅並びのおばあちゃんの屋台 3000ドン


注文するとおばあちゃんは、どこで焼いていたのかホカホカのパンをサッと取り出した。 ザクザクと音を立てて切り込みを入れ、そこへ次々と具を挟みこんでいった。 代金を払うとおばあちゃんは「メルシー」と言った。

豚ひき肉のパテ、柔らかい味のチーズたっぷり、パクチー、きゅうり、調味料2種で味付け。

パンの皮はパリパリで、内側の生地は調味料でしっとりと湿っている。 肉類のこってりとしたコクと、野菜類の強い香りが互いの個性を丸め合い、バランス良く混ざり合う。 塩味は強くなく、ピリッとした辛みとエビの発酵調味料の味がするところにベトナム流を感じる。 2個3個はペロリと行けそうな軽さがある。

しかしこの特徴って、台湾で惚れた『肉包』にそっくりだ。

『豚の内臓のお粥+鴨の血固め(CHAO LONG TIET CANH)』
市場内の飯屋 10000ドン(外国人料金)


塩茹でされた柔らかいモツを何種類かハサミで切りながら入れて、 そこにネギとパクチーを散らして熱いお粥をかけた一品。

お粥はダシで炊かれたうまみ溢れる塩味。粒は崩れかけている。 モツの多様で濃厚な味わいと新鮮な香味野菜の香りが楽しめる。

『ホビロン』
ドンスアン市場前てんびん屋台 3000ドン


羽化しかけのアヒルのゆで卵。臭みのある濃厚な茶碗蒸し、とでも言えそうな味。 ドクダミと生姜の千切りが乗っていて生臭みはマスキングされている。 市場あたりの子供にも人気のようで、子供たちは香草などを入れずにそのままスプーンで食べていた。

『車内食』
ハノイ~ドンハの列車内 チケット代に含まれる

魚のすり身煮込み
ニョクマムの濃い塩味とうまみの効いたおかず向きの味。 レモン汁が全体をさっぱりと引き締めている。
葉っぱ汁
細かい繊維の塊ぽいもりもりした歯応え。 植物の香り。ひき肉入り。
いんげん豚炒め
街でよく見かける定番の味。インゲンのさやは分厚くてボリボリといい歯応え。 甘辛く炒められた豚の濃い味とご飯がよく合う。


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