ニャチャン
  海沿いの都市ニャチャン。高い波が押し寄せる、 きれいに整備されたロングビーチが延々と続く。

  街もまた海岸線に沿って広大に広がっている。 広い道路がいくつも交差し、市場、学校、ホテル、商店、食堂が点在する。 人々は自転車やバイクにまたがり街を自由に行き交う。 夜になると街はひっそりと息を潜め、見通しのいいビーチ沿いはがらんとした印象になる。

『ブンボーフエ(フエ風牛肉麺)』
ホテル前の通りの専門店 8000ドン


にゅるんとして少しコシのある麺。 太めのパスタにコンニャクを混ぜるとこんな感じになるだろうか。 具は、平べったく叩いた牛肉、ネギ、鶏の血を固めたもの。 別皿の生野菜は、バナナの花のつぼみ、もやし、パクチー、どくだみ、キャベツ千切り。 スープからは海老発酵調味料の香りがする。 テーブルの上には、赤唐辛子ペースト、ナムプラー赤唐辛子漬け、 生緑唐辛子と辛いものばかりが並ぶ。多様な味の方向性を持つ麺料理。

『パイカンジャウヘオ』
夜の暗がりの屋台 5000ドン


煮込み麺。米麺なので煮崩れていない。 豚の関節まわりの骨付き肉がゴロゴロ。 小魚の素朴な味がするさつま揚げも入っている。 青々としたネギが散らされ、食べた感覚が沖縄そばに似ている。

『バゲットサンド』
行列のできる屋台 3000ドン


具はネギ、ペッパー入りさつま揚げ(蒸し&揚げ)、生赤唐辛子、ニョクマム。

一口食べると口の中は魚の世界。プリッとした滑らかなさつま揚げの切り身が幾層にも連なり、 パンに染み込んだニョクマムからは香ばしい磯の香りがする。 一番奥に細いネギが丸のまま数本入っていて、どこを食べてもピリッと鮮烈なネギの風味が現れる。

行列のできるその屋台にはひっきりなしにバイクで客が乗り付けて、 店員の3人は手を止めることなくひたすらサンドイッチを作っていた。

『チャオロン(豚粥)』
ダム市場屋台 5000ドン(本当は4000ドン)


赤い豚モツ粥。玉ねぎとパクチーがトッピングされている。 唐辛子のニョクマム漬けと赤唐辛子油を加えて食べる。 モツは歯にクニュっとしてからトロっと舌にとろける。

この料理にも入っている血を固めた食べものは多くの国で見られる。 その色のわりに臭みは無く、触感は固めのゼリーに似ている。

『チェー』
ダム市場チャオロン屋台の隣 2000ドン


アズキ豆、大豆、ヒヨコマメ、タピオカ、ムニュッとした餅、 芋の甘露煮(ほっくり)、バナナの甘露煮(これもほっくり) などなどの具が、ココナッツミルクと氷とともに混ざり合う。 見た目からしてもったりとした密度の割に甘さは控えめ。

『ピロシキ』
街の中心辺りの屋台 1000ドン


具のたっぷり入った揚げピロシキ。 同様の屋台は主要都市のあちこちにあるが、店によって具の詰まり具合は明らかに違う。 具は豚挽き肉とキノコがメイン。サクッと軽い生地。揚げたてアツアツ。 ケチャップ風のチリソースを付けてコロッケみたいな感覚で食べられる。

この屋台は、母親と2人の娘とその友達の合計4人の女性で仕事を分担していた。 「いくら?」と聞くと「2000ドンよ」と外国人料金を言われたが「1000ドンでしょう?」 と聞くと「そうよ」と言って笑い、あっさりと1000ドンにまけてくれた。


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